小生の初めての自分のラジオは中学入学で父に買って貰ったソニーIC 11だったというのは以前お話ししたかと思います。端正なデザインと澄んだFMの音にとても満足したものです。
満足はしたものの、他のモデルが気にならなかったかと言われれば、矢張り大いに気になり、ソニーを手にしてから却って他社のカタログ集めなどをしました。
ライバルのワールドボーイGXは実販売面でもIC 11と同等かそれ以上に売れたかと思います。
当時のメーカーはソニー以外どこもマイナスXX dbと言う感度表示をして居らず、これは実際にソニー以上の高感度は他社が獲得出来ていないので表示出来ないのだろうと考え、一人悦に入っていたものです。ソニーはマイナス5dbでした。
所が、ある日父の文藝春秋をペラペラと繰っているとマイナス6dbのモデルがあり、大いに愕きました。それがこのKH-1510です。
日立といえばステレオのパディスコが代表で、その後もサージラムと言う知る人ぞ知る優秀なBCLラジオを出していますが、IC 11が発売された69年頃の同社ラジオを知る方は少ないと思います。
小生もこのモデルを最初に手にしたのは2年程前で、当時はネット上を見ても殆どデータがとれませんでした。販売された数も少ないでしょう。
今回の個体が2台目ですが、此方は扱いが良かったのでしょう、全体にとても良い状態を保っており、大きな汚れや錆、傷はありません。
残念なのはボリュームツマミが欠品しており、特殊な差込口なので通常の部品では対応出来ません。種々試行錯誤の末、ナショナルの据え置き型ラジオのツマミにアルミ板で差込部を作って対応しました。スムーズに回りがたつきは有りません。
当時のライバルと思しきワールドボーイGXやIC 11との比較試聴をしましたが、ソニーよりも堂々と大音量で鳴り、感度は同等。GXとは音、感度共に同等と言う感じです。流石は技術集団の日立というべきでしょうが、ナショナル、ソニーに決定的に遅れて居るのはデザインとサイズです。
綺麗に纏まって居ますが、いかにも無骨で大きく重い。
性能は先行する２社に負けないけれど、同じ土俵では闘えないと悟ったのか、日立は軸足をステレオ対応のモデル、パディスコに移した様です。
この個体は状態も良く、手元に置いておきたかったのですが、在庫が膨らみ過ぎました。
電池、自作ACコード付。

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