Bandes Originales Des Films De Claude Lelouch

某大型サイトで、1万以上の値段がついている希少盤です。サウンドはやや歪んだ感じですが、聴きにくいということはなく、この時代のくすみがかったサウンドトラックのいい味が出ています。

フランシス・レイ/ピエール・バルー他
男と女 オリジナル・サウンドトラック

♪フランシス・レイが名匠クロード・ルルーシュとタッグを組んだ、彼らの最初期を飾る2つの代表作のサントラをカップリングしたお徳用盤。一説にはレイは比類なきメロディストではあったが、その構成力には難があって、最終的な段階に至るまでには専属アレンジャーであるジャン・ミュジーからの多大なるサポートを受けていたーなんつう噂もチラホラ耳にはするが、それはさておき仕上がった作品群はやはり見事の一語に尽きる!!

♪円熟期のモンタンに、アヌーク・エーメとキャンディス・バーゲンという米仏を代表的する二大女優を配した『パリ~』は、なんといってもあのタイトル曲での一種たゆたうようなサトルな風情が堪らない(とりわけスキャットの入る#11は最高!!)ーその主要因たるクロマティックなコード進行は、のちに EPO やなんかも自作品で借用していたが、いかにもフランス風というか、ラヴェルやドビュッシーやなんかと直(じか)に繋がっているーってなカンジがする。他方エレキがギャン／＼唸る#9あたりもレイの多面性が窺えて興味深いトラック。またアコーディオンなど“フレンチ”な記号を効果的に使った洒脱なサウンド・メイクも光る。

♪後半の『男と女』はそのエーメとトランティニャンが主演をつとめたオトナのためのラヴ・ロマンスだが、こちらの劇伴も極上で、ことに#12,13,15といったいわゆる“フレンチ・ボサ”系のナンバーが充実しているのが特徴。ジャズっぽい編曲の#14や、ムーディな佇まいの#16、有名な#13や#18等で聴ける、バルーの決して巧くはないが雰囲気のある唄いぶりも上々だろう。気だるい男女デュオが口ずさむ例のメイン・テーマをはじめ、個人的には『パリ~』より“お気に”の充実のコンテンツである。

♪CD初期のプレス(1988)にしては、音質的にも悪くないと思う。

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